茶葉を食べてみる
茶葉からエキスを引き出したものがお茶ですから、おいしいお茶を入れるためには、まず何よりも茶葉が美味しくなければなりません。
その見分け方は簡単です。
茶葉をそのまま食べてみてください。
すると茶葉の持っている多くの情報を知ることができます。
例えば食べても美味しくない場合、お茶も美味しく入れることが難しいです。食べた味の情報をヒントにして、茶葉の持つ甘みや渋み、香りなどのたくさんの要素の中から、どの部分を引き出すかを考えます。
そして、その作業こそがおいしいお茶を入れる第一歩なのです。茶葉の状態が良いものであればあるほど、入れ方の幅が増え、楽しみ方も広がっていきます。
ちなみに美味しい茶葉とそうでないものは値段に比例するとは限りませんので、価格で先入観を持たずに色々と試してみてください。
美味しい茶葉は形が均等で細い
店頭で売られている煎茶は、光や酸素、水分で変質しないよう、アルミの密閉袋に入れられています。アルミは光を通さず気体の遮断性が非常に高いためです。
また昔は中をほぼ真空にしてペタっとさせた袋をよく見かけましたが、今はカサカサと中の茶葉が動くような袋が多くなっています。
これは窒素が充填されているからです。空気中に含まれる窒素は80%、酸素は約20%ですが、袋の中を窒素だけにしてしまえば酸化は起こりにくくなります。
このように中身の見えないパッケージにも理由と工夫があるのですが、良い意味でも悪い意味でも開けてびっくり飲んでびっくりとなる可能性があります。
一方で、当店のような日本茶の専門店なら、店頭で見本の茶葉を見せてくれるところが多いです。
ある程度お茶に詳しくなれば、こういう葉っぱだったらおいしそうと、見た目だけでわかります。
良質と言われる茶葉の特徴は、主に次の通りです。
- ねじれていたり縦長に丸まったりしていて細い
- あまり厚みがない
- 色が鮮やか
- 粉や茎が少ない
- 大きさが均等
特にスパイダーテックといって、蜘蛛の足のように細いものが非常に良いとされています。逆に肉厚で、色もくすんで擦れたようになっているものが、安く売られています。
それはどうしてでしょう?
茶葉が細いのは、元の葉が柔らかいということです。そして薄いのは元の葉が肉厚でないことを示しています。
つまり早い時期に積まれた葉で、うまみが強く渋みが少ない可能性が高いのです。茶葉をじっと見ていると、もう一つわかることがあります。
それはお茶の葉を機械で積んだか、手で摘んだかと言うことです。機械摘みだと、スパッと裁断された茶葉が見られます。
手摘みだと、葉を途中でちぎる事はないので、そのままの形が残りやすいのです。もちろん後者の方がより人件費がかかるので高価ですが、最近は機械も良くなっているので、味の違いがわかる人は少ないのではないでしょうか。
ちなみに煎茶だと1本1本細いものに人気がありますがウーロン茶には細長い茶葉のほか、玉のようにコロコロとした茶葉になっているものがあります。
小さく丸めておくと搬送や保存がしやすいためことこの形になったと言われています。
茶葉の値段はいい茶葉かどうかの目安になるの?
「100グラム3000円のお茶を買ってるのに、おいしく入れられない」というご相談を受けることがあります。
美味しく感じるかどうかは、入れ方にもよりますし好みによるものが大きいです。お茶を選ぶ一番大切な目安は、自分の好みです。
コーヒーなどと一緒で、産地で選んだり、味で選ぶのが一番。
値段で決めるのではなく、こんなお茶が飲みたい!という思考に合うかどうかが目安になります。そのためには、お店の店員さんにお茶の話を聞いてみましょう。当店のような専門店では、知識を持った店員さんがお客様をお待ちしています。店員さんにいろんな質問をして、好みのお茶を見つけてください。
ちなみに当店の奥八女茶は、香り高く旨味が特徴のお茶です。
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